日東タイヤ事件(最高裁S48.10.19)
第14条(出向)についての参考判例

■日東タイヤ事件とは(概要)
 出向命令を拒否した社員を、業務命令違反を理由とした懲戒解雇を無効とした。


★ポイント
 会社においては、出向に関しては休職規定において、出向その他特命による
業務処理のために必要があるときの特命休職の規定があるものの、
就業規則においては従業員の出向義務自体についの明文の規定はなかった。


☆判決

 ●従業員の出向義務自体についての明文の規定はなく、労働者の同意なしに
一方的に出向を会社が命じうる根拠を示す証拠はないといわなければならない。

 ●一定の労働条件の枠中においてのみ労務を提供するにとどまる労働契約の中では、
出向について特別の約定を定めていない限り(すなわち、労働者の同意のない限り)、
使用者は労働者に対して出向を当然に命令することはできないものというべき。

東社会保険労務士事務所HP