和田経営労務研究所
特定社会保険労務士
和 田 栄
http://www.jinsouken.jp/

さて、65歳まで雇用しろと言っていますが、これは定年の引き上げを言っているのでしょうか?

実はそうではありません。

もちろん定年の引き上げでもかまいませんが、やり方は3パターンあります(^-^)
①定年の引き上げ
②定年制の廃止
③継続雇用制度


①はシンプルですが、労働条件をそのままに継続雇用することになり、また退職金制度がある会社では勤続年数が伸びてしまうという問題もあります(-""-;)
管理職をそのまま役付とするのかなども考えなければなりません(-_-メ
いままでの雇用管理システムを再検討することにもなり、あまりこれを選択する会社はありません。

②は前回ご説明したように、本人からの申し出がないかぎり辞めてもらうことはできなくなるので、これを選択する会社はまずありません。

ということで、ほとんどの会社は③を選択します(^~^)

継続雇用制度とは、通常は再雇用のことをいいます。
定年で一旦退職させ、その後嘱託社員として改めて雇用するのです。
(大企業のように子会社があるようなところは子会社に転籍させることもできますが、中小企業ではありえないので再雇用で話を進めます)

再雇用ということは、改めて労働条件を設定し直すということです。
したがって、次のようにすることもできます。
(例)○雇用期間の定めなし→1年単位の期間雇用
                    (65歳まで更新あり)
   ○フルタイム→パートタイム
   ○基本給30万円→20万円
   ○月給制→時給制

なんかすごく社員にとって不利益なことをしているようような気がしますね(`Δ´)
でも、そもそも定年後は雇用する義務はなかったわけですから、利益にはなっても不利益になることはありません!

ただ、仕事はまったく変わらないのに給料を半分にしていいのかというと、これは微妙です。
明確に禁止されているわけではありませんが、裁判になった場合はなんとも言えません。
ケースバイケースでしょう( ̄^ ̄)

給料を下げるのであれば、定年前とは何かしら違いを設けておいた方が無難です。
物理的な業務内容もそうですし、責任の重さも重要な要素になります。
将来のリスクを未然に防ぐためにも、ぜひ検討したいところです。

ちなみに、
年次有給休暇だけはゼロからのスタートというわけにはいきません( ̄□ ̄;)
労働条件は変わったとしても、同じ会社に継続して雇用されています。
なので、勤続年数は通算され、休暇日数は引き継がれることになります。

以上