消えた年金問題。

最近話題にならなくなりましたが
相談者は一向に減る気配がありません。

相談者:「わたしの年金おかしいんじゃないの?」
職 員:「あ~これは●●だからこれでいいんですよ」
相談者:「ハー?●●ってどういうこと?」
職 員:「ですから××だから●●なんですよ」
相談者:「いや××はわかるけど、でも・・・」
職 員:「だから、そういう仕組みになんですよ」

職員は年金の仕組みを一生懸命説明しますが
相談者は一向に納得しません。

1時間以上も堂々巡りのやりとりが続きます。

やりとりを聴いていると職員の対応にいくつか問題があります。

○難しい年金の仕組みを難しく説明している
○相手の話を遮って説明してしまう
○自分の正当性を主張している

要するに
説明ではなく説得
になっているのです。

相談者は怒っているわけですから
説得しようとすればするほど
頭に血が上ります。

相談者の感情にはまったく配慮せず
理屈で説得しようとしていることが
最大の問題です。

相談者は年金に不信感を持っています。

その不信感が勘違いを生み
勘違いがもとで怒っているわけです。

それを

『勘違いしたあなたが悪い』
『仕組みはこうなんだから仕方ないでしょ』

みたいなことを言われたら

頭では理解できても
とうてい納得などできるはずがありません。

「まったく役人はダメだなー!」

なんて思わないでください。

こういうことって誰でもしています。

しかも本人は気がついていません。

「なんでわかってくれないのかな???」

そんなとき

同じような対応をしていませんか?

コミュニケーションは
言葉ではなく感情のやりとり
です。

自分の意図したことが相手に伝わっていなければ

コミュニケーションは成立していないのです。

では、職員はどうのように対応すればよかったのでしょうか。

例えばこんな感じです。

「なるほど、おっしゃることはよくわかりました」
「不審に思われるのもごもっともだと思います」
「ただ、みなさんよく勘違いされるのですが、これは××なので●●なのです」
「わかりやすく言うと▲▲ということです」
「仕組みがわかりにくくて申し訳ありません」
「ご理解いただけましたでしょうか」

まずは相談者の話を真剣に聴きます。

そして

感情に理解を示し謝り丁寧に説明
をします。

公務員は「役人」とか言われて
批判の的になったりしますが
このような対応のまずさから来るイメージの悪さも
大きな一因だと思います。

たいていの公務員は一生懸命働いています。

こんなことでイメージダウンはもったいないです。

もう少し教育するなり考えた方がよいと思いますね。