▼雇用調整助成金の利用急増により、財源となる積立金が、2010年度末に
3千億円程度足りなくなる恐れがあることが4日、厚生労働省の試算で分かった。

景気の低迷が長期化するなか、同省は今後も多くの利用があるとみて、
失業給付向けの積立金からの借り入れで不足額を確保することを検討。

■雇用調整助成金は、国が企業に従業員の休業手当や教育訓練中の賃金を助成し、
解雇を食い止めるのが狙い。

▲昨秋以降の雇用情勢の悪化で、要件の緩和助成率の引き上げが繰り返された。
大企業は最大で休業手当の4分の3、中小企業は9割が助成される。

■利用を申請して計画が受理されたのは、昨年10月には140事業所3632人分が、
今年10月は8万4672事業所197万2568人分に増加。

▲ 財源となる労働保険特別会計の雇用安定資金は、雇用保険料のうち企業の負担分
利用の急増で、08年度末に1兆円余りあった残高は09年度末には3500億円に減る見通し。 
10月時点での、2010年度末、1100億円の残高試算が、

▲新たな経済対策で12月から要件がさらに緩和されたことや、雇用情勢の厳しさの継続から、3千億円程度の不足が生じる見込み。

▼一般会計からの穴埋めは、政府内の調整がつかず、労使折半の雇用保険料と、
国庫負担分の失業等給付の積み立てから
不足額を借り入れるよう検討。

失業手当の受給者も増えているが、残高は09年度末で4兆8千億円あり、
一時的な借り入れであれば給付に影響がないと判断した。
東社会保険労務士事務所HP