厚年基金 09年度収支悪化

 

・・・給付総額が保険料を上回る・・・

 

・・・半数が積立金取り崩し・・・

 

 

 厚生年金基金で、給付総額が保険料(掛け金)収入を初めて上回ったことが厚生労働省の調べで分かりました。

 

 

高齢化で年金を受け取る人が増え、保険料を払う現役の社員が減っているためで、厚年基金の収支は急速に悪化、ほぼ半数が年金給付のために積立金を取り崩しています。

 

 

現役社員について、保険料の引き上げや将来の給付額を減らす動きがさらに広がりそうです。

 

 

 厚年基金は加入者が払った保険料を事前に積み立て、将来の給付に回す仕組みです。

 

 

09年度に厚年基金から年金を受給する人は前年度比6%増の272万人となった一方、保険料を払う加入者は2%減の456万人でした。

 

 

加入者に対する受給者の割合は09年度は59%となり、05年度(43%)と比べても大幅に上昇しており、厚年基金の収支は年々厳しくなっているのが現状です。

 

 

 積立金の取り崩しが増えているのに加え、積立金の運用難も重なり、厚年基金の積立金不足は深刻になっています。

 

 

 09年度の厚年基金の平均運用利回り15%と高水準だったにもかかわらず、10年3月末時点で608の厚年基金のうち、年金給付に必要な積立金(責任準備金)が不足している基金は、まだ半数以上の364あることが判明しています。

 

 

 一部の厚年基金は、現役社員の保険料率を引き上げたり、将来の給付を減らすなどの方法で基金の財政悪化に歯止めをかけようとしています。

 

 

しかしながら、厚年基金をつくっている企業には中小企業も多く、従業員の負担を増やせず、財政が悪化し続けているところも目立っています。

 

 

 厚労省は「厚年基金の財政悪化は基金自身の責任」として、国は関与しない考えですが、積立金が不足する基金への監督は強化する方針です。

 

 

また金融庁も積立金を実際に運用している信託銀行などに対する検査・監督を強化するとしています。

 

 

 

 

 

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