先日、年金事務所の年金相談にこんな方が訪れました。

 その方は、遺族年金を受給中の方で、ご主人の年金記録が届いたので・・と言って来られたのです。

 記録を見ながら、この表の見方を説明していたのですが、『ご主人の記録に間違いはないですか?』と聞いたところ、
以前の回答で、戦前にお勤めの記録が有り、会社からもご主人が勤められていて、その保険料も納めている、という回答が有ったのですが、年金事務所からは『海外勤務で有り、どの年金事務所にいくら納めたかの記録がないから、認められない」と云う返事が有ったそうです。

 会社が在職証明をして、保険料も納めた、と回答しているのにも拘らず、自分のところに記録がないから認めない・・・。

 何か如何にも役所的な回答ですよね。

 宙に浮いた年金記録・・消えた年金記録・・

 そう言ったものをなくすため、調べているのかと思ったら、違うのですね。

 ご本人さんは、役所の言葉より、私が言ってる事の方が理屈が通ると思うのですが・・と仰っていました。

 まさにその通りだったので、第三者委員会への申し立てを薦めました。

 勿論、もしかして、私が訊いた事と本人の言葉に違いがあるかもしれません。役所も正当な理由で却下したのかもしれません・・・。

 でも、常々思う事は、却下の書き方です。

 「記録は有りませんでした・・。」この一文で終わっているのです。どれだけのことをやって、なぜ記録が見つからなかったのか?『残念ながら』の言葉もない一文は、人情味がないですよね。自分の記録が何故消えたのか?を知りたいがために回答書を出した方に、貰って納得できる文章を考える・・。これも役所の仕事だと思うのですが。

  いつも不思議に思うのですが、今年金相談に来ている事務所の人たちは、とても親切で窓口対応や電話応対もとても優しいです。その人たちも、本部のそういった回答をお客様から見せられて、返事に困っている様子をみると、以前の自分の職場もそうでしたが、現場の事がさっぱり分からない人たちが、結局一番偉い所にいるんだなぁ~と思ってしまう。

あの有名なセリフ『事件は会議室で起きてるんじゃない・・。』を思い出しちゃいます。
CS(顧客満足)が叫ばれて久しいですが、掛け声だけに終わらないでほしい・・と思いながら、今日も年金相談の窓口にいます。