給与体系再構築のため、今日は終日、ある会社で役割・責任分担表を作成していました。その企業は150人規模の会社なのですが、プロジェクト・メンバーと色々とお話しをしていると意外なことが分かりました。
現在までの賞与や昇給のやり方は、本部が業績に従って総予算を各支店と各部門に割り振りし、各支店長と各部門長が割り振られた自部門の総予算を各従業員に割り振って決めているということでした。そして各支店長または各部長がどういった基準で各自に割り振りしているかを本社は把握してなく、また各従業員にも例えば評価結果等は知らせていないということが分かったのです。
これで全てがわかりました。本部がどんな方針を打ち出しても各支店や各部門はそれに従おうとはせず、そんなことより自部門の成績だけを上げることしか考えない訳です。
またそして、だから各従業員さんから評価結果を知らせて貰えないという不満が本部に届いても、本部は何も手を打てないでいるのです。
いわば、各支店長及び各部長は一国一城の主であり、この会社はそういった個人商店の寄せ集めに過ぎないということが判りました。これでは激変を続ける昨今の経済情勢の中で生き延びて行き難いので、会長自ら直々に給与・賞与体系の洗い直しを依頼しれたのです。
150人程度の規模の一般的な企業とはかなり違うやり方です。必ずしも悪い方法ではないのですが、規模を考えると無理があります。どちらかというと、もっと規模の大きな会社がとるべき方法(自治権を優先させた連邦方式)です。給与体系は企業の成長段階に合わせて無理のないものを創り上げなければ、とこがで必ず問題が発生してしまいます。
給与体系の再構築に関しては、MSR流の方式がありますから、それに従いその企業独特のものを創り上げますが、ここまで依頼企業のことがわかれば、給与体系再構築と同時に組織活性化の方策も打ち出すことが可能になります。