先日、給与規程の変更を依頼された酒蔵の変更希望理由が解明できました。蔵人(季節雇用)の人を常用雇用に変更しようとしているのですが、蔵人は日給制であり、しかも季節雇用ということなので日給が高めになっているのです。この人を通年雇用に切り替えて月給制にしようとした際に、高めの日給を根拠として月給を決めると閑散期に瓶詰作業をしてもらうときの給与が異常に高くなってしまうし、かと言って瓶詰の人達の時給を月給換算して給与を決めると蔵人として繁忙期に働く給与が異常に安くなってしまうので、迷いの坩堝に陥られたのです。
しかも、この会社は1年単位の変形労働制を採用しており、繁忙期に蔵人として仕事をするときには休日が法定休日程度と少ないので閑散期の休日日数を増やす必要があるため、他の月給者と極端な格差がでてしまうのです。
その他色々なことをお聴きした結果、給与規程を1人の蔵人のために変更するよりも、この人が蔵人として仕事をする期間と瓶詰を職務とする期間とに分けて、それぞれを別途の有期雇用契約とするか、または期間の定めは無い雇用契約にして仕事内容(季節により明確に区別できる)により所定給与に格差をつける等の処置をする方が適切ではないでしょうか?と提案しました。