見込割増賃金(固定残業制)制度を採用して、最低賃金ギリギリ位まで賃金の基本部分を下げ、残りを見込割増賃金と定めている会社は顧問先に多いのが実情です。過去の労基調査や紛争で未払賃金を指摘され、または給与計算も人間がすることだから偶にはケアレスミスも発生してしまうので未払賃金の発生を防止しようとする先がほとんどです。
一部にはまだ最低賃金が未妥結の県も残っていますが、東京、千葉、神奈川、大阪をはじめ、中国地方3県(島根県がまだ)の最低賃金と施行日が公表されたので、前記のようにして見込割増賃金を決めている会社で最低賃金割れが発生しないかをチェックすることにしました。
毎年の作業なのですが、結構これが面倒くさいのです。1社ずつ給与規程を再確認した上で試算してチェックします。最低賃金に引っかかるような場合には会社に連絡して、支払賃金の内訳を変更し、その旨を従業員さん達に周知させる依頼をします。
この作業と算定基礎届による標準報酬月額の変更とが毎年ほぼ同時期にあるので肩が凝ってしまいます。
この時期には、他に面倒なことが発生しないことを祈るばかりです・・・。
そして今年からは、新労基法により割増率がUPする2年後を見据えて、業務改善を進めるアドバイスも同時に行うことが必要となります。そのためには、従業員さん達の仕事に対する考え方も変わってもらうことが必要となりますが、時間がかかります。「家に早く帰ると、おかあちゃんに粗大ごみ扱いされてしまうから、会社から中々帰ろうとしない社員」「自分のアパートに早く帰ると、クーラー代等の電気代が高くつくから帰ろうとしない独身者」などもいるので意識変革させるためには時間がかかるのです。