昨日、ある会社の取締役会に出席して昇給額の決定を協議していました。この会社の基本給は年齢給と能力給で構成されており、年齢給の昇給額は就業規則に明記して届出してあるのですが、今年の全社昇給率から逆算していって各自の昇給額を人事考課を元に決定しようとすると、年齢給の昇給額が確保できない従業員が数名発生してしまうことがわかりました。従来は就業規則で年齢給の昇給額が決められているのに全く無視して、しかも年齢給と能力給を合計した昇給額で判断していたこともわかりました。
全社昇給予算から年齢給による全員分の昇給額を控除すると、能力給の原資がわかるのですが、その額がほとんど無い(年の昇給率が低いので)こともわかりました。
現在の給与体系は、十数年前に日本生産性本部の指導を元に制定したらしいのですが、そのためか150名規模の会社の割には一部上場会社並みのことが定められています。こんなことをやっていたら地方の中小企業は人件費倒産してしまいます。
色々と検討した結果、年齢給の昇給幅が大企業並みに決められているので、これを修正せざるを得ないという結論に至りました。
そこで、急遽、従業員さん達に事情を説明して就業規則(給与規程)の年齢給の定めを改正することになりました。説明をうまくしないと「労働条件の不利益変更」にも成りかねないので神経を使う処です。
しかし、給与体系と人事評価制度を全面的に洗い直さなければならないことだけは明確なようです。