先日、従業員同士が暴力事件をおこした会社から「殴られた従業員は退職したのだが、本人から離職票の発行を求められた。本人はハローワークに相談した上で会社に離職票発行を請求しているのだが、その離職理由欄はどのように書いたらよいのか?」という問い合わせがありました。「殴られた方が退職した???何か不自然だな???」と思いました。
色々と前後の事情を電話でお聞きすると、殴られた従業員は遅刻常習犯で、前日にそのことを上司が注意したにも関わらず当日も遅刻したため、そのことを上司(殴った本人)が再度注意した処、反抗的な態度をとるので上司も逆上して思わず平手打ちにしてしまったようでした。しかし更に、遅刻常習犯に対する注意は暴力事件の発端に過ぎず、実は殴られた従業員は、遅刻以外でも「数名の従業員から金銭の借用をし返金しない」「社内における男女交際が淫らであった」ということも原因であったらしい。要するに規律違反が続き、思い余った上司が逆上して殴ってしまったようでした。
尚、殴った上司はお金を貸していたらしく、警察に被害届を提出したということでした。どっちが被害者で、どっちが加害者なのかナ?
そこで、会社には離職票には会社が調べた事実をそのまま記載し、本人に郵送して本人の署名捺印を貰うように勧めました。署名捺印欄には「会社の主張に異議ありません・あります」の両方があるから、どちらかに本人に〇をつけさせればよいこともお話ししました。また、本人が署名捺印することを拒否すれば会社の捺印で離職票を発行できるが、このような場合には本人に郵送し事実確認を求めたという行為自体が大切なことも伝えました。そして更に、事実をありのままに記載するとまた本人が会社に文句を言ってくる可能性が強いと懸念する総務担当者に「文句があるのなら会社ではなくハローワークに言ってください。会社は調査した事実をありまののに記載しただけです」とサラリと言いかわすように勧めました。
会社の総務担当から聞いた処によると、本人はこれ以外にも(a)時給950円なのに750円という低賃金で働かされていた、(b)雇用保険に無理やり加入させられたのだから雇用保険料の返金を会社に請求していること等も主張しているらしいのです。
まあ、世の中には訳のわからない人もいるものだナ!!
こんなとき、会社はやはり威風堂々と正道に基づくことを行っていくしかありません。
しかし、多分、ハローワークから私に問い合わせがあることは間違いないから、今からその準備をしておくことにします。でもこの人は「あっせん」までは行かないと予想します。

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