競合関係にない九州の同業会社に就職すると言って退職した元従業員が地元広島の同業他社に入社し、従来の担当先を荒らしまわっているので何か対策を講じたいという依頼が顧問先からあった。急いでお伺いすると、社長は激怒されていた。昨年も同じようなことがあり、そのときにも色々とアドバイスしたのだが、結論としては憲法で保障されている「職業選択の自由」に邪魔され特に有効な手段はないのが実情だ。それでも社長が食下がって来られるので、就業規則と退職金規程を一部変更して秘密事項漏えい対策を追記し、入社時と退社時に提出させる念書の内容を変更することにした。念書は昨年同様のトラブルがあったときに、私が修正しましょうか?と尋ねたら、自分達で修正するから良いと言っていたのに、全く修正していなかった。そして何よりも重要なことは、秘密事項と言っても、普段から秘密性を主張できるように会社資料等を保管しておくことなのだが、それが出来ていないから問題発生の根は深いと思う。