午前中は某社の取締役会に出席。定期昇給をどうするかがメインテーマであった。前年度決算は赤字、おまけに大震災の影響を受けて部品が入荷せず、4月の実績は目標対比滅茶苦茶で今後の見通しが立たない状態となっていた。社長は例年通り定期昇給をするつもりでいたらしいが、私が反対意見の口火を切った。赤字に陥り、企業体質を改革しなければならない状態のときに、大震災の影響で今後の見通しが立たなくなっているのに昇給することは、会社の取締役として株主や従業員に対して余りにも無責任であると強くお話しし、今は昇給すべきではないが、例えば8月か9月になり先の見通しが今よりも立つようになってから定期昇給させるか否かの最終判断をすることにして、定期昇給時期を延期すべきであると強く主張した。そうした処、他の取締役や会長も賛同してくれて、結局は定期昇給を先送りすることで満場一致となった。
午後はその会社の部所長会議に出席。取締役会も部所長会議も社外のセカンドオピニオンとして意見を自由に述べる立場なので、ここでも「会社が前期は実質赤字となる見通しだから(前期決算書がまだ出来上がっていない)、今まで通りのことをやれば良いと考えてはいけない。すべてのことに疑問を持ち、会社事業の再構築を至急に開始すべきだ」と私が伝えた処、会長が発言を初めて、新しいビジネスのやり方を各部所長に提案し始め、各部所長に方法と対策を至急に考えて報告するようにと宿題を出し始めた。
この2つの会議には毎月出席させてもらっているが、同日に2つの会議を開催されると、私の他の業務に支障が出るし、私は精魂ともに疲れ果ててしまうと思っていたら、会長が「チョット今晩一杯飲みに行こう」と慰労会を開いてくれた。多分、会長としては満足されたのであろう。