同じと言えば同じ。
違うといえば違う。

少なくとも私は他の社労士と違い
いわゆる商人である。

商売は牛のよだれ。
損して得取れ。

近江商人か、はたまた伊勢松坂商人か
もしくは、富山の薬売り。

天秤棒を担いだ商人か
旧三井越後屋のような
現金掛け値なしの商人である。

当然、顧問料は安いし
先生様でもない。
時には損しても仕事をすることがある。

あきんどはお前だけだと大先生に言われた。

役所の味方もしないし
えらそうにもしていない。
ひげを生やしているのは
顔を覚えてもらうためだった。

それと、貧乏したときのことを
忘れないため残しておいたものである。

大きな荷物で行商人みたいにすると
社労士の格をさげるから
やめてくれといわれたこともある。

行商人か、唐茄子売りか。
はたまた大黒様か
それを長年してきたわけだ。

お客様はわがままなので
ちょうどきたときに用事を思い出す。
たくさん書類を持ち歩かなくては
効率が悪くなるわけだ。

だから、大黒様になってしまった。

助成金だのセミナーだのは長年無縁だった。

お客様が払えもしない社会保険料を
平気で設定する先生の尻拭いを何度したことか。

役員だけでも、売り上げすら上がってない会社に
不当に高いものは設定できない。
そういうマインドのない先生には
へきへきする。

もちろん税理士の先生がするなら
仕方ないかもしれないが。
税理士の先生は税金はできるだけ下げたいのであるから、
無理して入らせることもありうる。

また、税理士の先生ならば
まともな金額になるまで社会保険の適用を
抑制してしまうこともあるだろう。

だが、今は法人なら社長一名でも
入れる時代だ。

時間は待ってはくれない。
たとえ十万円でも少なくとも国民年金よりは
たくさん年金になる。

そう考えたら、入らせないほうが罪である。
いくら会社の経費がかかろうと
必要なものは必要。

そのようなマインドをもつ社労士さんが
少なすぎる。

事務屋の社労士は山ほどいる。
役所より、責任回避型も山ほどいる。

たまにひどい社労士さんにかかっていた
会社が私と出会い立ち直ることもある。

商売である以上やはり保険者の立場で物を考えることは
できないと思う。

教えたがる人は多いが、ともに社長と発展しょうとか、
ともに喜び悲しみを分かち合おうとか、
考えている人が少数派であることが、
問題ではないかと思う。