「自動車運転死傷行為処罰法」が520日より施行され、
飲酒や薬物の影響で事故を起こした場合の罰則が強化されました。

通行禁止道路の高速走行やアルコールや薬物の摂取、
特定の病気の影響で正常な運転に支障が出るおそれのある状態で運転し、

人を死亡させた場合に懲役
15年以下、
人を負傷させた場合に懲役
12年以下とする規定が盛り込まれています。

現行刑法の「危険運転致死傷罪」の適用範囲が狭すぎるとして批判があったことを受け、
刑法から自動車事故に関連する規定を分離して成立しました。

本法における「特定の病気」には
統合失調症や双極性障害(躁うつ病)、
てんかん、低血糖症、重度の眠気の症状を呈する睡眠障害等が含まれ、

運転に必要な能力を欠いている場合や、
意識障害、運動障害を再発するおそれがある場合に、適用されることとなっています。

また、「通行禁止道路の高速走行」としては、
車両通行止め道路、
歩行者専用道路、
自転車および歩行者専用道路、
一方通行道路の逆走、
高速道路の逆走等が対象です。

さらに、アルコールや薬物の摂取により、
正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で運転したケース、

アルコールや薬物の影響で、
死傷事故を起こした場合に、

その影響をごまかすために、
事後にアルコールや薬物をさらに摂取したり、

現場を離れてアルコール濃度などを減少させたりしたケースも、
処罰の対象となります。

企業においては、
従業員に対し新法の施行について周知するだけでなく、

特定の病気に罹患している従業員の有無の確認や、
該当者がいた場合の対応のほか、

就業規則、自動車通勤や
社用車運転に関する社内規程等の見直しを検討する必要があります。