先日、知り合いと話しをしていて、補助金(雇用関係のものは、一般的には助成金)をもらうためには何をすればよいのか聞かれたので、まとめておきます。
(過去に何度も、いろいろな場所で書いていますが)

■お断り
 助成金を受給するための「裏ワザ」「マル秘の方法」は、ありません。
 受給要件に該当し、不支給要件に該当しないことだけです。


まず、厚生労働省の雇用関係の助成金を受給できるのは、多くの場合、「雇用保険に加入している(採用後、雇用保険に加入する)従業員がいること」が条件になっています。

そのため、従業員がいない、あるいは雇う予定がない場合は、ここでいう助成金は受給できない・もらえないのです。


次に、社内の書類がキッチリしていることです。
具体的には、「労働条件通知書・労働契約書」「労働者名簿・社員名簿」「賃金台帳」「出勤簿・タイムカード」があり、他にも社会保険・労働関係で法律違反の状態に無いことです。

よく質問されますが、社会保険(健康保険、厚生年金保険)の加入義務がある場合は、当然加入している状態が好ましいでしょう。法人(株式会社)なら、加入義務有り、ですね。

就業規則も、従業員が10名以上在職していれば、助成金の手続き時点での法律に違反していない程度のものを、「手続き時に、提出」が条件となっていると思っておきましょう。助成金によっては、就業規則への規定の記載が条件になっていることもあります。


ここまでは、どこの企業でも、「出来ていて、当たり前」ですが、3つめの条件が厳しいかも知れません。
それは、「国の施策に沿った、労働・雇用に関するアクションを起こしていること」です。

つまり、「採用」「教育訓練」「雇用維持」などを意味し、より具体的には、それぞれ「一般に就職が難しい人を採用する」「従業員のスキルアップのために教育訓練を受けさせる」「解雇せずに、従業員を雇い続ける」などです。

単に、「従業員を雇う」だけでは、助成金は受給できません。


不支給要件とは、「何人も解雇している」「労働保険料を支払っていない」などです。


同業者(社会保険労務士)でも「カンタンに、もらえますよ」と営業を行っている方がいますが、残念ながら「カンタンではない助成金をカンタンと表現しているケース」「明らかに、悪用をすすめているケース」を、知り合いの社長たちから伺います。


ちなみに、大阪社労士事務所(代表 桑野真浩)では、雇用関係の助成金は「顧問契約」の締結が前提です。当事務所がお金を儲けるためでなく、「賃金台帳」や「出勤簿」、「就業規則」など普段から対象となる企業様に接していないと、調製できないものが多いからです。
「知らないヤツに、うちの会社のことが分かるか」の逆です。
(顧問契約をしているからといって、労働関係の情報を全て知っているわけではありませんが)


「雇用関係の助成金をもらいたいなら、まずは、社会保険労務士に訊け」
「社会保険労務士を知らなければ、顧問の税理士さんに紹介してもらって」



大阪社労士事務所 桑野真浩
http://www.osaka-sr.jp/