厚生労働省は、パート労働者へ厚生年金の適用を広げる際に、会社員向けの健康保険制度への加入も同時に進める検討に入った。会社員向け健保に加入すればけがをしたときの収入補てんの現金支給などの利点はある。ただ厚労省が1日示した試算によると、妻がパートで働く会社員の世帯でパート年収が120万円なら、年5万5000円の保険料負担が新たに発生する。一部には負担の減るケースもあるが厚労省案には様々な意見が出そうだ。

 安倍晋三首相はパートへの厚生年金適用拡大を盛り込んだ厚生年金法改正案を今通常国会に提出する方針。これを受け厚労省は年金を適用する労働時間条件を現行の「週30時間以上」から「週20時間以上」に広げる検討を進めている。

 健保の加入拡大は年金の適用拡大と対象を同じにする見通し。当初は20万―30万人に絞る方向だが最終的には300万人程度が対象になる可能性がある。厚労省は「パート世帯は、年金には加入できるのに健保に入れないとの不満がある」と強調する。