加工食品中堅のフジッコ(本社・神戸市)は30日、労働基準監督署の是正勧告に従い、未払いの残業代や休日出勤手当など計約30万時間分、約7億円を従業員約790人に6月15日ごろまでに支払うと発表した。

 同社によると、残業や休日出勤について社内記録と実態が違うとして昨年11月、神戸東労働基準監督署から是正勧告を受けた。同社が関連4社を含む従業員795人から聞き取りなどの調査をした結果、従業員が実際の労働時間より短く申告するなどの例が多数見つかり、そうした「サービス残業」などが昨年12月までの2年間で計約30万時間にのぼったという。

 同社は「商品開発や市場開拓の段階で手間ひまを惜しまずかけるという風土があり、労使双方で管理があいまいだった。今後は意識改革と同時に、業務の効率化を進めて時間外労働の削減に取り組む」としている。