札幌市豊平区の 社会保険労務士・税理士 溝江諭(みぞえさとし) です。
 
 前回までの節税対策については以下の「ブログ・コラム」をご覧ください。
 
 第1回目 固定資産関係(1)として、「除却資産」と「修繕費」による節税対策。

 第2回目 固定資産関係(2)として、「少額資産」と「税金や登記・登録のための費用」による節税対策。

 第3回目 固定資産関係(3)として、「中古資産」と「特別償却と税額控除」による節税対策。

 第4回目 債権関係として、「貸倒損失」と「貸倒引当金」による節税対策。

 第5回目 未払い経費関係として、「人件費」と「人件費以外」による節税対策。

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 さて今回は、「決算日を過ぎてもできる節税対策」の第6回目、いよいよ最終回です。

  
6 経費関係(2)
 
(1) 交際費等のチェック

 
◎会議関連費が交際費の中に入っていませんか?
    
 会議に通常要する費用は金額のいかんに関わらず会議費として全額が経費になります。例えば、会議場の使用料や会議に伴う通常の飲食費等です。もちろん、ホテル、レストラン、喫茶店等で行う打ち合わせ等も会議費となります。なお、はじめから接待等を目的とした飲食費は会議費ではなく、交際費となります。次問をご覧下さい。
 
◎得意先や仕入先等との飲食費が交際費の中に入っていませんか?
   
 接待等を目的とした飲食費で一人当たり5,000円以下のものは「交際費等の損金不算入(※注1)」の対象から除くことができ、全額が経費となります。なお、役職員間だけの飲食費は対象外ですので、注意が必要です。必ず外部の者が一緒でなければいけません。
 
 また、この適用を受けるためには、保存書類に次のような具体的な記載が必要です。
 
①飲食等があった日
②参加した者の氏名または名称及びその関係
③参加した人数
④金額、飲食店名、所在地
 
(※注1)交際費等の損金不算入
 
 交際費等が年間600万円以下の場合は10%が損金不算入とされ、600万円を超える場合は(その超えた全額 + 60万円)が損金不算入とされます。  
 
◎カレンダー、手帳、手ぬぐい、うちわその他これらに類する物品を贈るための購入費用が交際費の中に入っていませんか?
 
 カレンダー、手帳、メモ用紙、手ぬぐい、タオル、うちわ、ボールペン、蛍光ペン、クリアケースなどを贈答に使用した分は広告宣伝費として全額経費になります。毎年おおむね一定量購入している場合は購入額全額を経費にすることもできます。
 
 
(2) 教育訓練関係
 
◎使用人に対して教育訓練を実施しましたか?

 
 使用人に対して教育、訓練、研修、講習などを行ない、その教育訓練費割合が一定率以上の場合には税額を安くできます。教育訓練費に対する税額控除の特例です。
 
 この特例は労務費に対する教育訓練費割合が0.15%以上の場合に適用でき、税額控除限度額は、次の金額とされます。ただし、その事業年度の法人税額の20%相当額を限度とします。
 
(1)教育訓練費割合が0.25%以上である場合
 
 損金算入された教育訓練費の額の12%相当額。
 
(2)教育訓練費割合が0.15%以上、かつ、0.25%未満である場合
 
 損金算入された教育訓練費の額に(教育訓練費割合-0.15%)×40+8%で算出した割合(0.1%未満切捨て)を乗じた額。
 
 
(注意) 
 ここでは「経費」という単語を法人税法上の「損金」と言う意味で使用します。損金とは法人税法における所得金額の計算上のマイナス概念で、損金算入額を増やすことにより「所得金額」を減らすことができます。これが節税のひとつの形態です。 
 
 なお、ここでは節税ポイントを簡潔に表現することに主眼を置いたため、税法上の厳格な適用要件については触れていません。また「節税」術によっては適用できる期限が定められている場合もあります。
 
 実際の節税に当たっては、必ず、当事務所までご相談下さい。それ以外は責任を負いかねます。
 
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  税理士・社会保険労務士・行政書士 溝江 諭 KSC会計事務所
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    札幌学院大学 客員教授 税務会計論担当(学部)
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