民法772条の嫡出推定規定に不都合な場合があることは、以前にも記事にしましたが、今回は嫡出の推定がなされる前夫の立場からの記事です。

 15日、民法772条に関連して裁判などを経験した男性3人が、大阪市内で記者会見を行いました。その中の一人は、海外で単身赴任中、妻から「好きな人ができて妊娠した。離婚してください。」と打ち明けられ、帰国後の説得も空しく、離婚に至った。離婚して約2ヵ月後に出産したため、嫡出の推定が働きます。そこで、子供を法的に実際の父親の子とするため、嫡出否認の訴えを家庭裁判所に訴えました。

 彼は、裁判で「着床時、元妻と性交渉がなかった」ことも証言させられ、非常に気まずい思いをさせられました。自分の子でないと公の場で証明するのが辛かったし、10年経ってやっと話せるようになった、とも語っておられます。

 このように精神的負担を課す制度は、このままでいいのでしょうか。嫡出推定を覆すためには、必ず裁判によらなければならないものでしょうか。前夫の否認とDNA鑑定で親子関係の認定をする方向にもって行くべきではなかろうか。民法772条の早期の改正が望まれます。 

 今回はこの辺で。