一度は参加してみたかった社会保険労務士試験の監督官に、
今年は選抜されました。

今回は、監督官の立場から、
その状況をご紹介します。

本年の社会保険労務士試験は、
824日に全国35カ所の試験会場で実施されました。

九州国際大学の試験会場にも、
受験勉強に耐えた約
1000名の受験者が集まりました。

私は2204号室の試験会場で、
80名の受験に立ち会いました。

この部屋の監督官は、私を含めて社労士が3名と補助者が2名の計5名でした。

主任監督官の試験実施要領の説明、注意事項の伝達のあと、
いよいよ択一試験が開始されました。

ちなみに社労士試験は、
午前問
210分(択一試験)と午後問80分(選択試験)で実施され、
それぞれの総合点と足切り点で合否が決定します。

特に択一試験は
3時間半におよぶ長時間の試験であり、体力も消耗します。

午前問の開始早々、
60歳前後の女性が補助者を呼びました。

吐き気がするとの事で、体調不良を訴えたため、
補助者がトイレに同行しました。

20分程度で席に戻って来たので、
胸を撫で下ろししましたが、
この時間のロスと不調はかなりの負担になるだろうと、
気の毒でなりませんでした。

90分経過した頃若い男性の受験者が手をあげました。

私が近付くと回答が終了したとの事です。

問題用紙と回答用紙を受取り、退席を許可しましたが、
余りに短時間なのでギブアップかなと思いました。

飲み物を飲みたい時、
トイレに行きたい時、
受験者は黙って手を上げます。

監督官は静かに近づき許可を与え、
トイレには補助者が同行します。

2時間を過ぎるといよいよ佳境です。

目を閉じて息を整える人。
背伸びして深呼吸する人。
放心したように天井を見つめる人。
黙々と試験問題に目を通す人。

様々な表情を浮かべながら
体力の消耗に耐え戦っている様子が伝わってきます。

自分の時を思い出しつつ、
この教室から一人でも沢山の合格者が出る事を祈りました。

そして試験終了の指示があり、
様々な表情がそこに有りました。

私達のミスで受験者に影響が出ては大変です。

回答用紙を回収し、数回集計し直して枚数を確認しました。

昼食を取り、同様に午後問も終了しました。