東日本大震災の被災者の就労支援を目的とした厚生労働省の「被災者雇用開発助成金」をめぐり、被災地の事業主から不満の声が上がっています。助成金は国の本年度第1次補正予算が成立した5月2日以降の雇用が対象で、震災後でもそれ以前の雇用は対象外となるからです。事業主は「震災直後に雇った人の分も対象にしてほしい」と柔軟な運用を求めています。

 厚労省によると、助成金は5月2日以降に被災者を雇った場合、1人につき中小企業で最大90万円、大企業で50万円が支給されます。最低1年間の雇用が条件になっています。

 震災から5月1日までの雇用は対象外のほか、2日以降の採用でも過去3年間に同一の企業に勤務経験があれば対象から外れるなどの制限があります。岩手県内のハローワークには、「震災直後に被災者を雇用したのに不公平」「会社再建にめどが立ったので、震災後に解雇した元従業員の再雇用にも支給を広げてほしい」などの相談が数多く寄せられています。