対象者の無い年金記録というのは、
残るべくして残った年金記録といこともあるでしょう。

受給要件(25年の納付)を満たせずに、支給開始年齢になった人の記録。
障害年金の受給時に短期要件を利用したときの今までの自分の記録。
夫の遺族年金の受給時に短期要件を利用したときの今までの夫の記録。
被保険者が若くして亡くなり、誰も遺族年金を受給しなかった場合の記録。

利用される事なく、放置される年金記録って意外と多いと思います。

もちろん、上記のような場合にその年金記録を消していれば問題ないのですが、そうではなく、残っていると思うのです。

誰かから申請があり、それに対し、データベースの中の年金記録をその申請に利用する(くっつける)事はしても、データベースの年金記録を消去する(または不要な記録と書き込む)という行為は、行われていないと思います。
そもそも、申請が無ければ年金記録を動かす事は考えられませんから、年金請求という申請しかない以上、利用される必要の無い年金記録が消える事はないと思います。
⇒25年の受給要件の満たせなかった場合の年金記録が一番分かりやすい例です。

ですから、残っている年金記録がある程度存在して当たり前で、その事で誰も不利益を講じていない事になります。
いま、議論している事は、消えた年金記録の実態については触れられずに、ただ5千万件という数字に踊らされているのではないでしょうか?
もっとも、質問があった時に、5千万件の記録の正体が何であるのか、即答できない事にも問題があるでしょう。

ただ、中には、数年前に納付した国民年金が記録されていないケースがあって、慌てて領収書を持っていき訂正してもらったというケースも聞きました。
この場合は、訂正されるまで本当に、対象者のいない年金記録になっていたという事です。
領収書があったから良かったものの、無ければ永久に対象者無しとなっていたケースです。

様々なケースはあるでしょうが、5千万件全てが、問題となる記録ではないと考えます。

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