こんにちは。オフィス石野いしのです。
さて、本日は傷病手当金の申請に関するお話。

「傷病手当金」といえば、会社の健康保険に入っている人が、私傷病で働くことができなくなった場合、原則お給料の3分の2程度を保険給付として受け取ることができる制度ですが、先日、この傷病手当金を受給中の方が、治療の甲斐なくお亡くなりになりました。

その後、会社の方から「本人の死亡後でも傷病手当金の申請はできますか?」とご質問を頂きました。
もちろん生存中と同様、一定の支給要件を満たしていれば、死亡後でも申請はできます。

【傷病手当金の支給要件】
1.療養のため、働くことができないこと
2.継続した3日間の待期を満たしていること
3.働くことができない間の報酬を会社から受けていないこと
(ただし、受けた報酬が傷病手当金の額より少ないなら、差額分の請求ができます。)

ただ、ご本人が死亡された場合は、誰が傷病手当金を申請し、受け取ることになるのでしょうか?

実は国民年金・厚生年金・雇用保険の給付には、本人の死亡後、未支給になっている給付について「誰が申請者なのか」について明文の規定があるのですが、健康保険法上にはそういった規定はありません。ですので、民法上の「法定相続人」が申請者になります。

【民法の法定相続順位】
★配偶者は常に相続人であり、配偶者と同順位で次の順位で法定相続人となります。
第1順位:直系卑属(子など)
第2順位:直系尊属(父母など)
第3順位:その他(兄弟姉妹など)

なお、このように遺族の方が傷病手当金を申請する場合は、通常の添付書類以外に「戸籍謄本」の添付が必要です。これは申請者とご本人の続柄を確認する必要があるからです。(ただし、申請者が「被扶養配偶者」の場合は不要です。)

さらに傷病手当金以外にも他に死亡を理由に申請できる公的給付はないか・・と考える必要もあります。
(たとえば「埋葬料(埋葬費)」や「遺族年金」などが考えられます。)

大事な人が亡くなれば、ご家族や会社の動揺は大変なものです。
こんな時こそ社労士としての知識で何とかお役に立ちたい!
そんな風に思う一瞬でした。

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