国民年金の加入者が未納保険料を追納できる期間を現行の2年から10年に延長することを柱とする年金確保支援法案が成立し、未納で無年金や低年金になる人を3年間の時限措置で救済します。同法では確定拠出年金の拡充策も盛り込み、企業が運営する制度で2012年1月から従業員個人の掛け金を上乗せ拠出できるようになります。
 これは、国民年金の未納問題が深刻なため、改正案は無年金や低年金を防ぐ狙いがあります。来年10月から実施予定で、3年間限りの特例になります。
 国民年金の保険料は原則毎月払う必要があり、現行では直近2年分しかさかのぼって払えません。例えば、保険料をこれまで14年分しか納めていない58歳の場合、直近2年分と、60歳になるまで保険料を納めても年金はもらえません。払った期間が通算25年に達しないためです。70歳まで払える任意加入制度もありますが、65歳ではもらえません。
 今回の改正では、こうした人も年金を受け取る資格を満たせるよう、後払いできる期間を直近10年まで延ばします。すでに通算25年以上払っている人も、未納分があれば過去1カ月分後払いするごとに年金額は毎月約140円増えます。ただ、後払いを無期限に認めると、かえって保険料を納めない人が増える懸念もあるため、3年限りの特例となりました。