07年05月31日
時効で不払いの年金、950億円・厚労省推計 【5/31 日経新聞】
柳沢伯夫厚生労働相は30日の衆院厚労委員会で、年金記録の不備で支給漏れになった年金のうち、時効の5年を超えたため支給されなかった金額が950億円になるとの推計を初めて示した。これに対する国庫負担額は60億円、年金保険料の負担額は890億円。生命保険会社で発覚した保険金などの不払い(現時点で359億円)に比べても金額は大きい。
支給漏れで年金支給額を訂正している人は年間約3万7000人。厚労省はこのうち時効で支給額が減っているのは3割と推計し、対象者は25万人とはじいた。受給開始から平均余命まで22年あると仮定。時効を超えて新たに支給される額は1人当たり38万円程度と計算し、粗い推計ながら総額で950億円とした。
07年04月09日
年金離婚分割に「要注意」 【4/9 日経新聞社説】
4月から、離婚した際に公的年金が分割されるようになった。これにより離婚が増えるのではないかという見方もあるが、夫の年金の半分を自動的に妻が受け取れる、といった誤解もあるようだ。仕組みを正確に理解することが、まず必要だろう。
昨年の10月から今年の2月までの5カ月間、社会保険庁や全国の社会保険事務所に寄せられた離婚分割に関する相談件数は2万4500余りにも上った。具体的な年金額などの個人情報の提供を請求したのは約6000人でその86%強が女性だった。
中には、夫には月20万円近くの年金があり、その半分を受け取れると思っていた妻もいたという。厚生労働省のモデルケースでは、40年間会社勤めをした男性では基礎年金が6万6000円余りで、厚生年金(報酬比例年金)は約10万円。妻の基礎年金6万6000円余りも加えると、世帯としては月23万円程度にはなるが、分割の対象は「婚姻期間に応じた厚生年金の分」だけ。
分割割合も最大で50%であり、具体的には夫婦の合意による。男性の就職後しばらくして結婚するのが一般的だろうから、多くても月4万円程度と考えるべきだろう。妻も会社勤めをしていれば、その厚生年金の分も分割の対象となる。夫の厚生年金が8万円、妻が6万円とするとともに7万円(最大限)となる。
また夫が年金を受け始めていれば、離婚後すぐにその年金が分割される、というわけではない。妻自身が60歳になって受給権が発生していなければ、受けられない。60歳になっても、妻が「何らかの年金に25年間加入」という資格期間を満たしていないと受給権が発生しないので、夫からの年金も受けられないことになる。
さらに妻が専業主婦で、離婚時に60歳未満ならば、60歳までの間基礎年金の保険料(現在月1万4100円)を自分で納めなければならなくなる。サラリーマンの夫の保険料から妻の分も納めてくれるという“特典”がなくなるからだ。
年金分割は、単に金額を分けるというのではなく「厚生年金の加入期間を当事者間で分割する」というのが本来の趣旨だ。十分な知識を持って臨みたいものだ。
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