(^ム^) 先生こんにちわ。近くに来たので、ちょっと立ち寄りました。

( ^u^ ) アッ、山田社長いらっしゃい。良い天気ですね。

(^ム^) イヤー良い天気ですね。今時には珍しく、暖かくて良い日和です。

お天気に誘われて、散歩のついでに寄ったのですよ。

§*_*§ 山田社長さん。いらっしゃい。今日もお元気そうですね。

本当は、先生の話のつづきが聞きたくて、来られたのでしょう。

(^ム^) ハッハッハ。図星。図星。美咲ちゃんには、ごまかしは通じませんね。
実は、この間の話の続きが気になって、じっとして居られなかったのですよ。

§*_*§ やっぱり…。本当は、私も聞きたかったのです。

( ^u^ ) お二人にそう言われると、何か話さなくてはいけませんね。

そう言えば、社長の工場で、工場長をなさっている木下さんは、かなり社会保険料を払っているのではありませんか。

(^ム^) 勿論です。大企業さんの様にはいきませんが、工場を取り仕切ってもらっていますから、精一杯出しています。

私の会社では、一番の高給取りですから、社会保険料も一番高いです。

( ^u^ ) なるほど。では、工場長さんに当てはまるかどうかは別として、今日は、管理職の給与体系について、お話ししましょうか。

§*_*§ 興味津々。シン…シン…

(^ム^) ほんと。興味津々です。先生、よろしくお願いします。

( ^u^ ) 解りました。美咲ちゃんも電卓をもって、協力してくださいね。

§*_*§ は~い。頑張ります。フフフ。

( ^u^ ) 社長のところの工場長さんが、一番の高給取りの様に、一般的に管理職の方の給与は、他の方の給与より高いのが普通ですよね。

その分、社会保険料も高くなります。

そこで、管理職の方の一層のやる気を出させつつ、社会保険料の節約をして、ご本人の手取りを増やす方法がないかと、どちらの会社でも考えているのではないでしょうか。

(^ム^) そんな方法があれば、すぐにでも取り入れたいですよ。
先生、そんな都合の良い方法があるのですか。

( ^u^ ) そうですね。企業と言うのは当然ながら、様々な組織体制になっていますから、どこにでも上手くいくとは言えないかもしれませんが、一つの方法として、お話ししましょうか。

例えば、月々の給与が50万円、年2回のボーナスが各50万円で、年間700万円の報酬の管理職がいたとします。

では、美咲ちゃん。計算をお願いします。
月々の給与に対する、健康保険料と厚生年金保険料は幾らに成りますか。

§*_*§ え~と。給与が50万円と言うことは、標準報酬の表を見ると…。
先生、標準報酬も同じ50万円ですから、健康保険料は月々50,600円、厚生年金保険料は月々83,830円です。

( ^u^ ) そうですね。では、その金額の12ヵ月分と賞与の50万円2回分に対する保険料を計算してください。

§*_*§ お給料の分が、1,613,160円、ボーナスの分が2回で268,860円です。
すごい、私のお給料と、あまり変わらないくらい払っているのですね。すごい。

( ^u^ ) 会社とご本人で、1,882,020円ですから、それぞれ、941,010円負担して居る事になります。

会社は、報酬のほかに約94万円負担し、ご本人も約94万円負担しています。

(^ム^) あらためて、具体的に聞くと、すごい金額です。

( ^u^ ) そこで、本来の管理職の在り方に付いて、考えてみようと思います。

管理職と言えば、社長・役員についで、会社の盛衰を担う、重要なポストです。

経営者は、自分たちと変わらない経営意識を持ってほしいと、期待しているのではないでしょうか。

少なくとも、業績の向上失くしては、好待遇は得られない事、好待遇を得る為には、まず業績のアップが必要な事は、十分理解している方々であるはずです。

そこで、管理職については、固定給制にします。
そして会社への貢献度に応じてボーナスを払う事にします。

つまり、月々の給与をそれぞれのランク毎に一定にして、各管理職の頑張りに対する評価については、担当部門の業績を見て、大幅なボーナスを可能にする。
そんな給与体系にしてみては、いかがでしょうか。

当面、現在の年収は、補償すると言うことで、やってみる価値はあるのではないでしょうか。

業績を評価してもらって、大幅なボーナスのアップが可能になるのなら、やる気のある管理職は、喜ぶと思います。

(^ム^) なるほど。実力主義ですね。

§*_*§ でも、頑張ったのに、成績が上がらない場合は、お給料は減るのですか。
ちょっと、かわいそう。

( ^u^ ) そうならない様に、管理職の評価制度はきちんと作らなければなりませんね。

そして、良く説明して、管理職の方々に理解を深めてもらうことが、前提です。

では、先程の方の給与を、思い切って月額30万円、ボーナス170万円の2回にしてみましょう。

年収は700万円で、変化ありません。

美咲ちゃん、月額30万の方の社会保険料は幾らになりますか。

§*_*§ え~と。30万円の人は、健康保険料が30,360円で、厚生年金保険料が50,298円ですから、合計で年間967,896円です。

( ^u^ ) ボーナスにも社会保険料が掛かりますから、こちらの計算もお願いします。

アッ、ちょっと待ってくださいね。

健康保険料は、170万円に料率を掛けるのですが、厚生年金保険料は1回の上限が150万円ですから、150万円に料率を掛けて下さいね。

§*_*§ 先生、ボーナスの社会保険料は、健康保険料が1回に付き172,040円、厚生年金保険料は251,490円ですから、年間847,060円になります。

( ^u^ ) そうすると、月々の給与にかかる保険料が967,896円で、ボーナスにかかる保険料が847,060円に成りますね。

合計で1,814,956円と言うことですね。

給与が月額50万、ボーナスが各50万円の時との、保険料の差はいくらに成りますか。

§*_*§ さっきは、1,882,020円でしたから…、先生、67,064円も安くなります。

( ^u^ ) つまりこの場合、会社は33,532円の経費節減に成り、ご本人は33,532円も手取りが増える事に成りますね。

もし、同様の管理職が5人居たら約33万、10人居たら約67万円の節約に成ります。

10年たつと、330万、670万の節約に成ります。

(^ム^) 先生、そんなに違うのですか。すごいです。

工場長の給料を、さっそく減らします。

( ^u^ ) 山田社長、ちょっと待ってください。

この制度を取り入れるには、先程言った通り、十分な説明と管理職の方々の、しっかりした理解が必要です。

それに、社会保険料の負担が減ると言うことは、将来貰う年金の額が、わずかとは言え減る事を意味します。

また、万が一病気をして働けなくなった時の、生活保障である傷病手当金の額が、減るというデメリットもあります。

導入には、ひとりひとりのシミュレーションをして、メリット・デメリットを十分に理解して頂いたうえでないと危険です。

もし、本気で取り組むおつもりなら、先に相談をしてくださいね。

(^ム^) 解りました。相談します。

それにしても、先生の話は本当にマジックのようですね。

アッツ、もうこんな時間ですか。
この後お客さんと約束があるので、また来ます。

では、美咲ちゃん又ですね。

§*_*§ ハーイ。

§*_*§ 先生、どうして年収が変わらないのに、こんなに差が出るのですか。

( ^u^ ) それはですね。保険料の料額表は、高額の等級に成る程、負担が大きくなっているからなのです。

保険料の料額表には、まだまだマジックが隠されているので、またお話しましょうね。

§*_*§ ハーイ。でも、ちょっと不思議…。ブツブツ…。