・秋も深まりましたね~。街路樹のイチョウももうすぐ金色に
色づきますね。
さて 前回からの続きで「2.解雇予告の義務付け」
(労基法20条)について説明していきます。
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・労基法20条では、会社が従業員を解雇する場合
は、「解雇予告の義務付け」をしていずれかの手続きを取る
ことを会社側に求めています。

【解雇予告の義務付け(労基法20条)】

① 少なくとも30日前に予告
② 予告をしない場合には、平均賃金(注意1)の30日以上
の解雇予告手当の支払い
※予告する期間が、30日未満の場合には、不足する日
数分の解雇予告手当の支払いが必要です。

<注意1:平均賃金>
平均賃金とは、労基法15条に定めのある条文で、解雇予告
手当などの計算の元となる規定です。
<例>賃金の締切日
が毎月20日の会社で4月30日に即時解雇した場合
賃金の直近の締切日からカウントします)

~賃金総額には以下のものは算入しません~
① 退職金や私傷病手当など
② 賞与など
③ お金以外で支払われた賃金で一定の範囲に含めないもの


                  
     前3カ月間((1月21日~4月20日)の賃金総額
平均賃金=…………………………………………………
     前3カ月間((1月21日~4月20日)の歴日数

                  
~次に該当する期間がある場合は、その日数や期間中の賃金
は除きます~

① 仕事中に怪我をしたり、病気で会社を休んでいた期間
② 産前産後の女性が休んでいた期間
③ 会社側の一方的な理由で休んでいた期間
④ 育児休業・介護休業をした期間
⑤ 試用期間中

※入社してから3カ月経っていない従業員は、平均賃金算定でも
直近の賃金締切日から起算する。
しかし、入社してから一賃金締切日期間を経過していない場合は、
「事由の発生した日」から起算する。

 平均賃金で注意しておきたいこととしてもう1つとしては賃金
が時間給、日給、出来高払い、その他請負制で定められている
場合は、最低保障があります。

                前3カ月間の賃金総額
     平均賃金=………………………………………×0.6
                前3カ月間の労働日数                          ↑
                注意!歴日数ではありません!!

 なお、賃金が、月給制、週給制などによる賃金と上記の賃金
とで構成されている場合にも最低保証額があります。


☆さて、本題の解雇予告の義務付け(労基法20条)について説明
していきます。☆
最初の冒頭の部分で、

① 少なくとも30日前に予告
② 予告をしない場合には、平均賃金(注意1)の30日分以上の
解雇予告手当の支払い
※予告する期間が、30日未満の場合には、不足する日数分の解雇
予告手当の支払いが必要です。


と説明しました。
<例>① 少なくとも30日前に予告とは

・ある従業員Aさんは、あまりにも勤務態度が悪く、他の従業員
などや取引先とトラブルも絶えない・・・。会社側が何度となく注意
をしたし、始末書を書かせたり、配置転換をしたり、あらゆる努力
をしたけれども従業員Aさんを仕方なく10月31日を以って普通
解雇することを9月30日に解雇予告しました。
    
   解雇予告日           解雇日

-------------------------------------------------
     ↑              ↑
   9月30日         10月31日



上記の例であれば、30日前に予告をしているので解雇予告手当
は必要ありません。
その期間中を有給処理で休ませるか、欠勤させるか、出勤させる
かは話し合いで決めます。



<例>② 予告をしない場合には、平均賃金の30日分以上
の解雇予告手当の支払いとは

・ある従業員Bさんと社長さんが日頃の様々な事がたまって
言い争いをしてしまった時、つい社長さんが「明日から来なくて
いい!!クビだ!!」と言ったとします。
本来、30日前に予告をしますが、この場合は即日解雇したと
言えるのでこのような場合に平均賃金の30日分以上の解雇
予告手当の支払いが必要になります。
※予告する期間が、30日未満の場合には、不足する日数分
の解雇予告手当の支払いが必要です。

解雇予告手当は、正社員やパート、アルバイトなど身分に関係
なく支払いが必要となります。
 

◎上記の場合でも以下の場合に、所轄労働基準監督署長に
解雇予告除外認定を受ければ即時解雇ができます。

① 自然災害など天変地異やその他やむを得ない事由により会社を継続していくことが困難な場合
② 従業員に問い詰める問題などがある場合



・事実上解雇予告除外認定は滅多に認められることがありません。
例えば、従業員が起訴されて拘置されてしまっても場合によっては
認められないこともあります。
それ程、解雇予告除外認定の要件は厳しいのです。

 ☆解雇するにもきちんと手続きを踏むことが必要です。

ご紹介した事例以外にも、様々なケースがあります。
むやみやたらに解雇しては、かえって会社のクビを絞めることに
なります。
「困ったさんの従業員がいるけど、どうしたら良いだろう
か・・・」
とお悩みの社長様、労働問題の専門家である社労士が
様々な角度からズバリご提案、アドバイスをさせて頂きます。
まずは、お気軽にお問い合わせ下さい

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クローバー労務管理事務所
社会保険労務士、特定社会保険労務士
大木莉沙
048(777)4645



詳しくは、以下のホームページをご覧ください。
http://www.clover-sr.com
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